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2015年9月30日 (水)

Liquid Biopsy(液体:血液 生検)

Liquid_biopsy1_5     随分としばらくぶりの更新です。。

    今回はGISTERS.netメンバーの「Sunny北加」さんと「森のふくろう」さんによる
    【Liquid Biopsy】に関するレポートをお届けします。

(リキッド バイオプシー)とは、腫瘍など組織の一部を採取して行っていた生体検査(Biopsy)と同等の性能で、かつ患者さんに負担の少ない低侵襲な検査を血液検査で実現しようとするもので、生検のために入院したりする必要もなくなりますし、腫瘍がサンプル採取困難な場所にあったとしても問題ありません。また、低侵襲ですから繰り返し何度でも行う事ができます。

GIST治療におけるコンパニオン診断を可能にするものとして、大いに期待できますね。

このレポートでは、その有用性についても詳しく書かれており、期待感が膨らむ内容になっています。

 

Liquid_biopsy9

液体生検(Liquid Biopsy)について

CTC-circulating tumor cells(血液循環腫瘍がん細胞)とctDNA‐circulating tumor DNA (血液循環腫瘍DNA)の検出

CTC
CTCは血液中を循環するごく微量の腫瘍がん細胞のことで、採取して遺伝子の解析ができる。侵襲度の高い生体検査なしに血液でがんを診断できるLiquid Biopsyの有力手段である。最近、CTCを採取する有力な技術を東ソーが開発した(2015.5発表)。血液中のCTCの含有量は極めて少なく、1cc中の血液に含まれる細胞の数、数十億個に対し、CTCは数個程度にしか過ぎないため、CTCのみを精度良く検出したり、選択的に採取したりすることが難しいという難点があった。東ソーの技術では、検査チップ上に多数形成した微細な穴に血液中の細胞を1つずつ固定することで、CTCをとらえる。チップの2つの電極間に交流電圧を加えると、「誘電泳動力」によって微細な穴に電界が集中し、CTCなどの細胞が引き寄せられる仕組みである。
(CTCの採取には強力で有効な選別手段が必要である。日本語版ではないが、Wikiに3種の検出法が説明されている。
https://en.wikipedia.org/wiki/Circulating_tumor_cell 
また、FDAでは、すでに乳癌、大腸癌、前立腺癌についてCTCの臨床的有用性(1社の機器と方法)が認可されている。
https://www.cellsearchctc.com/about-cellsearch/what-is-cellsearch-ctc-test 

ctDNA
後で紹介するOHSU (Oregon Health Science University) のDr. Heinrich 他による参考論文では、血液中に循環する腫瘍DNA(ctDNA- circulating tumor DNA)の検出にはBEAMingと呼ばれる手法を使ったとある。この手法は、DNAの断片を検出することができる血液検査ツールである。簡単な血液サンプルを用いて、異質DNAの数を計測し、腫瘍全体の増大を明確に把握することが可能である。Dr. Heinrichによると、このBEAMingによるLiquid Biopsyの一般臨床応用は、5年ほど先になるだろうとのことである。

 

Liquid_biopsy3

[Sunny NC氏の解説とコメント]
BEAMingのBEAMとはBeads, Emulsion, Amplification, Magnetics(発見・開発したAustralia技術者名)の頭文字です。これを可能にしているのは現在のデジタルゲノム解析の進歩であり、1970-80年代から使われたサンガー式PCR(Polymerase Chain Reaction)に始まり、2006年ほどから累乗的に発展、現在はMassively Parallel PCR(超並列PCR)とかNext Gen PCR(次世代PCR)、またはNGS(Next Generation Sequencer)と呼ばれるデジタル化された方法が主流となっています。
(NGSについては、最後に追加のコメントがあります。)
最新のゲノム解析は非常に高速で、1回で100万から3,000万本のゲノム読み出しが可能であり、膨大な数のゲノム配列検出が同時にできます。現在はゲノム配列300-1000塩基ほどの長さが限度らしいのですが、そのスピード、正確度、安価さは過去のPCR方法に比べると雲泥の差があるようです。
その基礎となっている技術の一例としては、DNAの鎖の一片に塩基が付くたびに、ATPの蛋白質との結合で化学反応を起こして発光する、その光を感知しDNAの配列を検出するとのことです。それを可能にしているのは膨大な検出結果を解析算出するPCとソフトウエアだと思われます。
この原理を説明するVideoがあります。
題は「Principle of Pyrosequencing Technology」「パイロシークエンシングの原理」です。

https://www.qiagen.com/us/resources/technologies/pyrosequencing-resource-center/technology-overview/(このサイトにはPCR検索にて特別な変異部分を検出に使われる sequencing primerが最初の画像で簡単に説明されています。このプライマーに続く塩基シークエンスを読み出すことによりどのエクソンに異常があるか解ります。目的のエクソンの最初の部分のプライマーを選び、以降の塩基を検出するのです。)
パイロシークエンシングの日本語説明サイトは

https://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0#.E3.83.91.E3.82.A4.E3.83.AD.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.82.AF.E3.82.A8.E3.83.B3.E3.82.B7.E3.83.B3.E3.82.B0の下の方で説明されています。

[編者のコメント]最近、シスメックスという神戸の血液検査機のメーカが米国の液体生検の会社を子会社化したとの話題がありました。シスメックス社は技術的にも営業的にも力のある会社のようで(株価も相当高い)、検出の分野で大きな発展をしてくれればと思います。 ―――

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